佐賀県・佐賀市 社労士(社会保険労務士)

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大手電機メーカーに違法残業の疑い、上司と会社を書類送検

今月11日、大手電機メーカーの研究職員である社員に違法な長時間労働をさせたとして、労働局は、労働基準法違反容疑で、法人としての同社と当時の上司1人を書類送検しました。

送検容疑は、同社と上司が平成26年1~2月に、36協定で定めた上限の月60時間を超える78時間程度の残業をさせたことで、実態の労働時間と合わない勤務時間を過少申告させた疑いも持たれています(社員の代理人弁護士によると、実質的には、過労死ラインとされる月80時間の2倍に当たる月160時間の残業があったとのことです)。

先の大手広告代理店においてもそうですが、36協定で定めた上限を超える残業と労災認定が重なると、書類送検されるといった感じですね。加えて、書類送検された事案の実態をみると、労働時間の過少申告・パワハラといった暗い影が見え隠れしています。

菅官房長官は11日の記者会見で見解を求められ、次のように述べ、法改正を含め改革に力を入れていく政府の方針を示しました。
「労基法違反容疑で書類送検の件は承知している。一億総活躍社会実現の最大のカギは働き方改革であり、両立支援・多様な働き方を可能にするために長時間労働慣行を断ち切ることが極めて重要である。働く人の立場に立ってしっかり改革を進めていきたい。政府内で有識者を交え、年度内にとりまとめてできるだけ早く国会に提出し、しっかりした働き方改革を実現していきたい。」(主旨)

参考:各企業における労働に関する最低限のルール(現行の規制)では、次のような通達による基準が設けられています。

厚労省HP
「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」 [554KB]
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/070614-2_0004.pdf

通常国会、今月20日に召集へ

政府は、今月20日に通常国会を召集することを決めました(会期は6月18日までの150日間を予定)。

政府・与党は、2016年度第3次補正予算案と2017年度予算案を早期に成立させ、法案の審議に移る構えです。審議予定の法案は多々ありますが、天皇陛下の退位に関する関連法案、公職選挙法改正案(衆院小選挙区の区割り見直し)などと並んで、「働き方改革関連法案(パート労働法、労働契約法、労働者派遣法の3法改正案など)」も、重要法案と位置付けられています。加えて、継続審議となっている「労働基準法改正法案(裁量労働制の見直し、いわゆる高度プロフェッショナル制度の導入などが盛り込まれています)」の成立も目指しているということです。

労働基準法改正法案を含む働き方改革関連法案を巡っては、長時間労働規制なども盛り込まれる模様ですが、野党(民進党など)は、「政府が求める裁量労働制の対象拡大などは、長時間労働規制に逆行している」との反対論が強く、激しい議論が繰り広げられることになりそうです。

※継続審議となっている「労働基準法改正法案」
提出時(平成27年4月3日提出)の内容ですが、簡単に再確認しておきましょう。
●長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策等
① 中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の見直し
月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置を廃止する。
② 著しい長時間労働に対する助言指導を強化するための規定の新設
時間外労働に係る助言指導に当たり、「労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならない」旨を明確にする。
③ 一定日数の年次有給休暇の確実な取得
使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないこととする(労働者の時季指定や計画的付与により取得された年次有給休暇の日数分については指定の必要はない)。 ほか

●多様で柔軟な働き方の実現
①フレックスタイム制の見直し
フレックスタイム制の「清算期間」の上限を1か月から3か月に延長する。
② 企画業務型裁量労働制の見直し
企画業務型裁量労働制の対象業務に「課題解決型提案営業」と「裁量的にPDCAを回す業務」を追加するとともに、対象者の健康確保措置の充実や手続の簡素化等の見直しを行う。
③ 特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設
・職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1,000万円以上)を有する労働者が、高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合に、健康確保措置等を講じること、本人の同意や委員会の決議等を要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする。
・また、制度の対象者について、在社時間等が一定時間を超える場合には、事業主は、その者に必ず医師による面接指導を受けさせなければならないこととする(労働安全衛生法の改正)

厚労省、労働保険適用事業場検索システムをバージョンアップ

厚生労働省は、ホームページ上で、労働保険(労災保険・雇用保険)の加入に必要な手続を事業主の皆様が行っているか否かを検索できるシステムを開設していますが、このシステムが今月10日からバージョンアップされました。バージョンアップ後は、検索欄及び検索結果に法人番号が追加され、法人番号での検索が可能となります。
なお、社会保険(健康保険・厚生年金保険)については、昨年から同様のシステムが開設されています(こちらは日本年金機構が運営)。

詳しくは、こちらをご覧ください。
・労働保険適用事業場検索のシステムバージョンアップについて
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/daijin/hoken/980916_1a.htm
〔参考〕社会保険について
・厚生年金保険・健康保険適用事業所情報を検索できます。
http://www.nenkin.go.jp/jigyosho/kensaku/jigyoshokensaku.html

労省 パワハラ対策のためのWeb研修講座を公開

生労働省が開設している、職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けたポータルサイト「あかるい職場応援団」では、2016年12月28日「パワーハラスメント オンライン研修講座」公開しました。

企業の管理職・従業員を対象に職場のパワーハラスメントについて
「パワーハラスメントとは何か?」
「行為者の責任と企業の責任」
「パワーハラスメントと業務指導」
「パワーハラスメントの予防と起きた際の対応について」
4つのパートで解説しています。

受講後の確認テストに全問正解をすると受講証明書を受け取ることができるようになっています。

詳しくはこちらをご覧ください。
https://no-pawahara.mhlw.go.jp/

雇用保険法等の改正、まもなく法案を国会に提出へ

雇用保険法等の改正が具体化してきました。
その要綱について、諮問・答申という事前手続きが終わり、まもなく、法案を国会に提出するとのことです。簡単に内容を見てみると、雇用保険制度については、給付の充実と負担の軽減が図られる模様です。

・給付の充実……失業保険金(基本手当)の給付単価の上限と下限の引上げ、所定給付日数の一部引上げ、リーマンショック時に設けられた暫定措置の整備のほか、移転費、教育訓練給付金、育児休業給付金について充実を図る。
*育児休業給付金については、保育所に空きがない場合の育児休業期間を、子が2歳に達するまでに延長予定。

・負担の軽減……平成29年度から平成31年度までは、とりあえず、国庫負担の割合と雇用保険率を引下げる。
*雇用保険率については、失業等給付に係る率を、一般の事業においては1000分の6に引下げ予定(現行は1000分の8)。

このような改正を、平成29年4月から順次に実施する予定になっています。今後の動向に注目です。

詳しくは、こちらをご覧ください。
・「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱」(諮問文)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11607000-Shokugyouanteikyoku-Koyouhokenka/0000147821.pdf

「今年は働き方改革断行の年」、安倍首相が決意表明

安倍首相は新年5日、経済三団体(経団連、経済同友会、日本商工会議所)の賀詞交換会において、経済界に、昨年に引き続き賃上げを要請したということです。その中で「今年は働き方改革断行の年」とし、昨年末に示した「同一労働同一賃金ガイドライン案」に裁判での強制力を持たせるよう法改正案を国会に提出する、時間外労働の上限規制を実施するため労働基準法の改正案を国会に提出する、といった具体的な目標も掲げつつ、働き方改革への強い決意の述べました。

同賀詞交換会後の記者会見で、経団連の榊原会長は、会員企業に対して引き続き年収ベースでの賃上げを求める意向を示すとともに、同一労働同一賃金の実現、長時間労働の是正といった働き方改革については、「経済界としても重要な課題として取り組んでいきたい」と述べたとのことで、重点政策である働き方改革、動向に注目です。

確認のため、関連資料のリンクを紹介させていただきます。
・同一労働同一賃金ガイドライン案
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai5/siryou3.pdf
・働き方改革に関する特命委員会中間報告
https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/133869_1.pdf

厚労省、平成29年1月対応の労働者派遣事業関係資料を公表

本年1月から、改正育児・介護休業法等が施行され、「妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とするハラスメントの防止措置」を講ずることが義務化されます。この防止措置に関する規定は、派遣労働者にも適用されることが明確にされており、「派遣先で就業する派遣労働者については、派遣先も事業主とみなして、防止措置義務を適用する」こととされています。また、この改正に合わせて、「事業主による育児休業等の取得等を理由とする不利益取扱いの禁⽌規定を派遣先にも適用する」こととされました。

今回、このような改正を反映させた労働者派遣事業関係資料が公表されました。派遣元から受け入れている派遣労働者だからといって、いわゆるマタハラなどが許されるということはありません。派遣先ではそのような注意喚起が必要かもしれません。

詳しくは、こちらをご覧ください
・労働者派遣事業関係業務取扱要領・様式・各種報告書
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/
改正概要はこちら
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/dl/kaiseigaiyou.pdf

産業医の巡視頻度・100時間超時間外該当者の情報提供改正(案)

産業医業務にかかわる労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案がパブリックコメントに公開されました。

改正内容の主なものは次のようになっています。
1.産業医の作業場等の巡視頻度について
衛生管理者から産業医に巡視結果等が提供される場合で、かつ事業者の同意がある場合は少なくとも2月に1回とする。

2.時間外が1月100時間超の労働者に関する産業医への情報提供について
毎月1回以上行うこととされている労働時間の算定で、1週間当たり40時間を超える時間外労働が100時間を超えた労働者の氏名とその超えた時間に関する情報を事業者は産業医に提供するものとする。

3.各健康診断の結果に基づき医師または歯科医師への情報提供について
医師または歯科医師が各健康診断の結果に基づき労働者から意見聴取する際に必要となる情報の提供を求められた事業者はこれを提供するものとする。

この改正にかかる意見募集は、平成29年1月26日までです。

詳細は、以下のURLからご覧いただけます。
パブリックコメント「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案に係る意見募集について」
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495160333&Mode=3

マイナンバー社会保険関係届出書(H29.1月より)

平成29年1月からの健康保険・厚生年金の届出書の資格取得届の様式が厚労省のHPに公開されました。
健康保険組合加入の事業主用の様式は、個人番号記載欄と基礎年金番号記載欄があり、年金機構への届出書については、マイナンバーの記載は任意とされています。
協会けんぽ・国民健康保険組合加入の事業主については、従来の届出書を使用するようになっています。
また、個人番号を記載する予定の届書等一覧に51種類の届出書が公開されており、それによると現段階で事業主経由の届出書は資格取得届のみとなっています。

厚労省HP
「マイナンバー制度(公的年金関係)」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000146740.html
「個人番号を記載する届書等一覧」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12500000-Nenkinkyoku/ichiran.pdf

厚生労働省、「過労死等ゼロ」に向け緊急対策を公表

今月26日、厚生労働省は、違法な長時間労働があった大企業に対し、行政指導段階での企業名の公表基準を引き下げることなどを盛り込んだ緊急対策を公表しました。

緊急対策では、違法な長時間労働を許さない取組の強化、メンタルヘルス・パワハラ防止対策のための取組の強化、社会全体で過労死等ゼロを目指す取組の強化を図ることとしています。

具体的には、
・実労働時間と自己申告時間がかけ離れないように企業に実態調査を求める。
・悪質な企業名の公表(行政指導段階での企業名の公表)を拡大する。
・長時間労働が複数の事業所で行われている企業に対しては、労働基準監督署が会社幹部に健康管理やメンタルヘルス対策などについて指導し、実際に改善されたかどうかは全社的な立ち入り調査で確認する。
・複数の精神障害の労災認定があった場合には、企業に対しパワハラ防止を含めて個別指導を行う。
といった対策を講ずることとされています。

厚生労働省は、省令や通達を改正し、来年1月から順次、この緊急対策を実行に移すとのことです。

〔参考〕行政指導段階での企業名の公表の拡大
・昨年5月に導入された現行の公表の基準⇒1年間に3事業所で、10人以上または4分の1の従業員に月100時間超の違法な長時間労働があった場合(過労による労災認定についての基準はなく、これまでに公表されたのは1社のみ)
・今回の見直し⇒長時間労働の基準を月80時間超に引き下げ、事業所数も年間2か所とする。また、複数の事業所で過労が原因の労災が認定された場合も、新たに公表の対象に追加。

詳しくは、こちらをご覧ください。
<第4回 長時間労働削減推進本部 報告>
・「過労死等ゼロ」緊急対策
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000147158.pdf

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